なんでもかんでもエモがるな

用事があって久々に母校に行った。一言で言えばエモかった。当時のことを思い出して、もう変えられない過去をどうにもできない無力さと絶望を感じながら見慣れた学校を歩いた。
 もしタイムマシンがあったなら、もしくはある日なんらかの力が私に宿り過去に戻れる能力があったなら、私は間違いなく大学時代に戻るだろう。今まで生きてきた人生の中で一番無駄な時間を過ごしてしまったあの日々を変えるために。
 大学時代、やりたいことはたくさんあったけど日々の勉強とバイトに追われ休みの日はひたすら寝るだけだった。サークルに入らなかったのは一番大きな後悔かもしれない。
 私は一目で青春と分かるものが好きなのだと最近気づいた。部活で汗を流したり、夜遅くまで部活の練習をしてる野球部と顔を合わすのが好きだったり、悪さをして居残りさせられることとか、体育祭文化祭とか。当時はそういうのを心のどこかでバカにしていて、なにを青臭いことしてんだよ、とか思ってたけど、大人になるとその青臭いことをやったかやってないかが私にとってかなり重要だと感じた。だから大学時代サークルに属さず一人で飄々と生きてたのが勿体無いと今思う。文化祭でサークルごとに出し物をしてたり、一生物の友達を見つけることができたり、そういうのを羨ましいと思った。
 話が逸れたけど、後悔しかない大学時代を思い出して苦しかった。本当はサークルに入りたかった、留学したかった、あそこの校舎でたくさん勉強したかった、Fと仲良くなりたかった、先生たちにもっと頼ればよかった、色んな人に会って人脈を広げればよかった、言い出したらきりがないくらい当時したかったことでも叶えられなかったことがある。
 当時は、いまできなくても将来できたらそれでいいや、と思ってたけどいまできないなら将来、それができるはずがない。またそのチャンスが巡ってきたときにそうやって言って結局その夢や目標は叶えられないんだ。
 今の私の夢は、留学をしたい。学生時代できなかったから。でも思うのは、20歳の私が留学するのと、28歳の私が留学するのとでは、同じ行動をとったとしてもそれに伴うリスクが違う。若ければ若いほど、リスクは低くなるし、年齢を重なれば重ねるほど思い切った決断には苦労が伴う。でも自分のやりたいことをやって成功してる友人を見ると羨ましく思うのと同時に心苦しくもなる。私はずっと日本でやりたくもないことをやって生きていかなければならない現実を突きつけられているようで苦しくなる。こんなの私の人生じゃない。
 色々書いたけど大学時代に戻りたい。戻ったらあいつのことは好きにならないし、あの子とはもっと仲良くなっておくし、私は留学をするだろう。膨大な時間の割に薄い体験しかしなかったあの日々に戻りたい。そうしたら今は違う結果があっただろう。