虚無

今後のことを考えると不安で眠れない時がある。ネットで話題の睡眠薬も全然効かないし、この不安を消せるのはそれよりも大きな安心だ。

10月から新しい職場で働く。前職とは全く異なる業界職種で今の時点ですでにブルーだ。大学を出て就いたのはブラックで有名な会社だった。当時、売り手市場と言われ友人が内定を2個も3個も持っている中、わたしはひとつも内定が無かった。やっと内定が出たのは10月頃だった。友人たちはもうすでに6月には就活を終えていた。内定が出てもすこしもうれしくなかった。だってブラック企業だし、有名じゃない会社だし。それでも両親は喜んでくれた。わたしは情けなかった。4年間高い学費を払ってもらって大学を出してもらったのに、苦労してやっと決まった仕事は過去に過労から自殺者がでた会社。学生時代、わたしは留学することが夢だった。短期留学ではなく最低でも1年留学することを夢見ていた。だがそれは叶わなかった。なんのために大学に行ったのか。たいしてバイトもせず友人も作らずただ時間と金を無駄にしにいったようなもんだ。そんなことを思いながらブラック企業で数年間働いた。給料がいいわけでもなく、休みが多いわけでもない、人間関係もクソだった。労働時間の長さから帰省するのは年に1回2回、ただただ両親に申し訳なかった。もっと会える時間を作りたかった。

今度の会社はだれもが知っているが、前職を上回る労働環境の悪さ。数年間の修行で働こうと心を決めたが数年も続くかどうか今の段階で怪しい。ここで働いたら帰省することも、両親に会うことも前の会社より減るだろう。本当に情けない子供だ。そんな会社にしかいけないなんて。それでも優しく励ましてくれる2人を思うと涙がでる。

いつ結婚するのか、いつこっちに帰ってくるのか、こっちで働きなさいと言いたくてたまらないはずなのにそれを全部飲み込んで頑張りなさいの一言だけくれる両親。残された時間でわたしは何ができるのか

 

大きな安心が欲しい 揺るがない安心が欲しい